腕時計を選ぶとき、デザインやブランド名に目が行きがちですが、時計を実際に動かしている「ムーブメント」も非常に重要な要素です。
ムーブメントは、大きく分けて「クォーツ式(電池式)」「自動巻き式」「手巻き式」の3つに分類され、精度、メンテナンス性、使用感など、それぞれに特徴があります。
今回のブログでは、時計専門店の視点から、この3種類のムーブメントについて、それぞれの魅力をご紹介させていただきます。
電池で動く、シャネル激安精度重視の実用モデルです。
水晶振動子が一定のリズムで振動する性質を利用し、正確に時を刻みます。
その特徴は、電池で駆動し、機械式よりも構造がシンプル、且つ月差±10〜15秒程度と非常に高精度です。
数年に一度、電池交換が必要で、衝撃や磁気に強く、日常使いに最適なモデルです。
メリットは、時間のズレがほとんど無く、日常的な操作が不要で価格帯が広く、腕時計初心者の方にもおすすめのモデルです。
機械式ムーブメントの一種で、内蔵されたローターが腕の動きで回転し、ゼンマイを自動的に巻き上げます。
特徴は、電池を使わず、ゼンマイの力で針を動かし、日差は±10~20秒前後(モデルにより異なります)。
使用しないと2~3日で止まってしまうため、定期的な着用が必要となります。
ケースの裏側からムーブメントの動きを眺められる「シースルーバック」仕様も多く、時計を動かす仕組みそのものに触れられるのも醍醐味のひとつ。
毎日少しずつ動かし続けることで、自然と愛着が深まります。
手巻き式は、リューズを手で回し、ゼンマイを巻き上げるムーブメントで、もっとも原始的な機械式時計の形であり、長い歴史とともに発展してきました。
1回の巻き上げで約40〜50時間駆動するモデルが主で、毎日自分の手でゼンマイを巻くひと手間が、愛着を深めてくれます。
ローターを持たない構造により、ケースをより薄く、美しく設計することが可能となり、エレガントで洗練されたデザインが際立つのも手巻き式の大きな魅力です。
毎朝巻き上げるという作業は、手間であると同時に「今日もこの時計と一緒に過ごす」という感覚を与えてくれます。
その繰り返しが、自然と日々のリズムにもなっていくでしょう。
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