グラスヒュッテ・オリジナルの「SeaQ」は、2019年に発売が開始されたダイバーズウォッチコレクションだ。発表当時、クラシカルなドレスウォッチを得意とするグラスヒュッテ・オリジナルが発表した本格派のダイバーズウォッチとして、大きな話題を集めたものだ。それもそのはずで、搭載されるムーブメントCal.39-11が、グラスヒュッテリブ仕上げを施した3/4プレートにスワンネック微調整機構といったグラスヒュッテ・オリジナルの伝統的なムーブメントのディティールを備えていたためだ。
ただ、従来モデルのステンレススティールモデルではソリッドバッグ仕様しか用意されておらず、魅力的なディティールを備えたこのムーブメントを鑑賞することができなかった(18Kゴールドモデルにのみサファイアクリスタル製ケースバックが用意されていた)。ステンレススティールモデルでもムーブメントを鑑賞したいとの声が各所から挙がっていたのか、今年、サファイアクリスタル製ケースバック仕様の発売が開始された。しかも、従来モデルのユーザーは、今般発表されたサファイアクリスタル製ケースバックに有償で交換可能となっている。
改めてSeaQについて見てゆこう。クラシカルなダイバーズウォッチのフォーマットに、文字盤とベゼルの光沢感がモダンでエレガントなエッセンスとなっているデザインである。文字盤デザインは、偶数時は大型のアラビックインデックス、奇数時はバーインデックスとすることで、文字盤上をすっきりとさせながら視認性を高めている。時針はペンシル型、分針は先端に大型の三角形を備える形状で、この組み合わせがSeaQのアイコンである。ケースサイズはスポーツウォッチとしては程よい大きさの直径39.5mm、厚さ12.15mmである。また、性能面も不足はなく、ダイバーズウォッチの認証基準DIN 8306およびISO 6425に準拠した性能を有している。
ゼニスは今年、1969年の歴史的なモデルを復刻した「デファイ リバイバル A3648」を発表した。オリジナルモデルの「デファイ A3648」は、「デファイ」コレクションおよび、そのダイバーズモデルとしても最初期のモデルとなる。ゼニスが近年取り組む、アイコニックな過去のリファレンスの復刻の中でも、ヴィンテージ ダイバーズウォッチが復刻されるのは本作が初である。
直径37mmのステンレススティールケースは、初代「デファイ」のシグネチャーである角張ったフォルムを踏襲し、オリジナルモデルに見られた14面のステンレススティールベゼルも受け継がれている。このベゼルは逆回転防止仕様となっており、かつてプレキシガラスで作られていたインサートはサファイアクリスタルで製作されている。
デファイ A3648の特徴であり本作のアイコンにもなっているのが、ブラックとオレンジのコントラストだ。ベゼルにはブライトオレンジに刻まれたブラックの目盛りが再現され、マットブラックの文字盤はオレンジカラーの針とミニッツトラックがコントラストを効かせている。4時位置のリュウズもオリジナル譲りのアイコンだ。ブレスレットは、ゲイフレアー社がオリジナルモデルのために製造していた5連ブレスレットを再現したもので、本作のヴィンテージテイストを生み出すのに欠かせないアイテムだろう。
本作ではサファイアクリスタル製ケースバックを採用しながらオリジナルモデル同様の600mの防水性能を備える。1969年当時、この防水機能はまさに偉業であり、本作がこれを踏襲するのは必然である。また、600mに相当する1969フィートは、A3648を含む「デファイ」ウォッチコレクションが発表された年という象徴的な数字である点も、本作にストーリー性を加えるのに一役買っている。
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